花見といえば、冬ごもりを終え、いそいそと外に出て、肌寒いのを我慢しながら皆で春の到来を喜ぶものだった。
しかし今年は夏のように暑い。
日本から秋が消えたと言われて久しいが、春も無くなりそうな今日この頃。同時に訪れた春と初夏。4月を存分に味わい尽くしたい。
阪急夙川駅から北上し、苦楽園口までを散策するのがお決まりのコースだ。(…後述①)
休日の夙川沿いは人々でひしめき合っていて、目星をつけていた駅近のパン屋さんは大行列。これではカフェも大混雑だろうと、川沿いの樹の下で昼食をとることにした。
夙川は約100前から今の堤防の姿だ。昭和の初めから令和の今も変わらない、日本の古き良き風景が見られる。
夙川から苦楽園口まで来た。ここで桜並木が途絶えるが、そこから橋をくぐった先にある、苦楽園口の新緑の風景が私は好きだ。もう少し北に歩くと、川沿いに古民家カフェがある。そのこじんまりとしたテラス席でコーヒーゼリーを食べると、初夏を全身で感じられる気がする。
花見には家族連れも多い。ふわふわと花吹雪の舞う中で、両親に見守られながら川遊びをしている子どもたち。
花見の風景は平和の象徴かもしれない。そうと思うと、どうか戦争がこの世から無くなりますようにと願わずにはいられない。いつまでもこの麗らかな日常が続きますように。
さて、今日の散策はまだ続く。
①夙川駅から苦楽園口まで北上(最も人の多いスポット)した後は、②夙川駅から南下して夙川公園・香櫨園駅へ(やや人が少なめ、桜の花道が楽しめる)、③さらに南下し、海沿いの異国風カフェ空間(外国人も多い穴場だ)へ行く。
②は①よりある意味オススメだった。桜並木が続き、右からも左からも咲き誇る桜に頭上を覆われる花道がある。また、写真を撮りたい人にもうってつけの満開スポットがある。全身で桜を味わいたい、満開の桜の樹の下に寝そべりたい人なんかは、夙川駅より南側にもぜひ足を伸ばしてほしい。
今回は③まで初めて足を伸ばしたが、広々とした海と砂浜の景色が広がり、ちょっとした海外に来たような気分になることができた。
海沿いを進むと、オーストラリアを思わせるような白い橋や、南国の風を感じるカフェが立ち並ぶスポットがある。珊瑚の名をしたハワイアンカフェには外国人も多く、本当に海外のような不思議な気持ちになった。
期待せずに注文したフォトジェニック料理は案外美味しく、思わず甘辛ソースの作り方を聞いてしまったほどだ。(豆板醤を使った手作りソースだそうだ)
帰りには虹がかかっていた。夕焼け時は空がピンクに染まり、桜が輝いていた。
ニート生活からたまに外に出ると、心が浄化される気がする。平和に感謝、美味しいものを食べられたことに感謝、美しいものを見られた幸せに感謝した1日だった。
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